2025/06/17

IT未経験からディレクターへ ~試行錯誤を繰り返した5年間の成長物語~

正社員 ディレクター

練馬区のIT企業Mogicの社内インタビュー。
今回は入社5年目、現在ディレクターとして活躍するMさんに話を聞きました。同じオフィスにいながらも、なかなかゆっくり話す機会がなかったので、この機会に彼女のキャリアについて深掘りしてみました。文系出身で営業職からの転身、IT業界未経験からディレクターになるまでの道のりと、Mさんの本音に迫ります。

最初に、自己紹介からお願いします。名前と職種と入社時期を教えてもらえますか?

Mです。今は「カスタムメイドディレクションチーム(CD)」にいて、その他に実は「サービスマーケティングチーム(SM)」も掛け持ちしてます。内容は、ディレクションとマーケティングというチームですね。

職種で言うと、ディレクターになるんですか?

職種としてはディレクターです。入社は2020年の10月なので、今5年目ですね。(インタビュー当時)

Mogicとの出会いと転職の決め手

Mさん、もうMogicに入って5年になるんですね。いろいろ聞いていきたいんですけど、最初にMogicに興味を持ったきっかけは何だったんですか?中途で未経験で入社されたんですよね?

うーん、難しい質問ですね(笑)。Mogicが私にとって4社目なんですけど、前の会社を辞めてから転職活動を始めたんですよ。その時期は結構悩んでて、転職も3回目だし、20代後半っていう年齢もあって、「次の転職がラストチャンスかも」ってすごく思ってました。30歳過ぎたら新しいこと始めるのって、ちょっと厳しいかなって。だから、次の転職である程度自分の道を決めなきゃなって考えてたんです。正直、ITがやりたいとか教育がやりたいとかっていうのは、最初は特になくて。自分の経験が活かせそうなところと、まったく未経験の分野、両方受けてましたね。

Mogicを知ったきっかけは何だったんですか?

転職活動をしてる中で、どの会社もしっくりこなくて。内定をいただいても「ここで頑張ろう!」って思える決め手がなくて。そんな時、相談していた知人に「今までどっちかというと、お堅い会社とか、上下関係がはっきりしているようなところにいたけど、そうじゃない会社、もっとアットホームで、新しい会社のあり方を体現してるようなところに行ってみたら?」って言われたんです。

それでMogicを紹介されたんですか?

ちょうど転職エージェントの人が「こんな会社あるよ」って紹介されたのがMogicで。そこでまさに「これだ!」って、ビビッときちゃいましたね。

Mogic流のディレクターという職種

教育やITに興味があって探していたというわけではなかったんですね。

ディレクター職で探してたわけでもなくて。ただ、前職でもそれっぽいことはやってたんですよね。ディレクターっていう職種としてじゃなかったけど、今思えばディレクターっぽいことを。

だから「未経験」と言いつつ、全くのゼロではなかったんですね。

そうです。でもMogicに入ってみたら、それまでやっていた"なんとなくディレクターっぽいこと"とは全然違いました。ちゃんと職種として成り立っていて、教えてもらえるし、深く学べるし。

Mogicでやってるディレクターの仕事と、それまでのふわっとした経験はかなり違いましたか?

違いましたね。でもギャップがあったというよりは、「あ、こういう形でやるのが本当のディレクターなんだ」って感じで納得できたというか。思ってたのと違ってがっかりすることはなくて、むしろやりたかったことがここにあるなって感じでした。

その違いって、深さ?それとも難易度ですか?

両方ですね。IT業界でのディレクター職って、私はMogicが初めてだったので一般的なディレクター像は正直あまり分かってないんですけど、Mogicのディレクターは役割がシステム化されていて、ノウハウも蓄積されていて、ちゃんと"必要な立場"として組織に組み込まれてる。だから、やるべきこともすごく明確なんです。

自分なりのディレクター像を探して

Mogicのディレクターって、具体的にどんな仕事をするんですか?私も何度も聞いてるんですけど、改めてMさんの言葉で説明してもらってもいいですか?

すごく簡単に言うと、「調整役」ですね。もっとイメージしやすいように言うと、オーケストラの指揮者みたいな感じです。

ああ、よく聞くたとえですね。

デザイナーやエンジニア、セールスといった専門職のメンバーがいて、その人たちをまとめて、お客様の要望を形にしていく。その橋渡し役をするのがディレクターです。ただ、私の場合「引っ張っていくぞ!」みたいなリーダーシップというよりは、どちらかというと「対話の中で探していく」感じなんですよね。

指示するというよりは、相談しながら丸く収めていく感じですか?

まさにその通りです。「エンジニアさん、これできますか?」「デザイナーさん、こっちはどうでしょう?」みたいに、みんなと相談したり調整しながら、最終的に一番いい形にまとめていくっていう。それでいてスケジュールや予算も守らなきゃいけないので、結構大変な役割です。

なるほど。それがMさんならではのディレクター像なんですね。チーフのIさんの影響が大きいんでしょうか?

最初はIさんのやり方を目指してましたけど、途中で「これは無理だ」って気づきました(笑)。バックグラウンドも違うし、同じようにはできないなって。ちょうどそのタイミングで、Iさん自身から「同じようにならなくていい」って言ってもらって、そこからは自分なりのやり方を見つけていこうって思うようになりました。

Iさんイズムとはまた違う、Mさんならではのやり方、Mさんイズムなんですね。

Mogicとしてのディレクター像はありつつ、個人のやり方やスタイルも尊重されているのが、Mogicの良いところかなと思います。

ディレクターとしての最初のステップ

IT未経験でMogicに入社されたとのことですが、正直、最初は大変だったんじゃないですか?どうやってここまでやってこられたのか、会社の制度や教育体制で「これは特に役立ったな」というものはありましたか?

やっぱり最初の頃は大変でしたね。ただ、OJTで実際の案件に入りながら、分からないことはIさんやエンジニアの皆さんにもう何度も何度も聞いていました。それとは別に、教育プログラムの一環でエンジニアの方がメンターとしてついてくれて、定期的に話す機会があったのは、本当に助かりましたね。

理系の方と関わるのも初めてだったって言ってましたよね。

私は文系出身で、ずっと営業畑にいたので、理系の考え方には触れる機会がほとんどありませんでした。だから、Mogicに入って理系の視点に触れるのはすごく新鮮で。業務の話だけじゃなく、ちょっとした雑談の中でも「へぇ、そういう見方をするんだ」という気づきがたくさんあって、それがシステムを理解するのにもつながっていったんですよ。

他にも、何か印象に残っている教育体制はありましたか?

当時、Yさんが担当していた「ベーシックエデュケーション」でのトレーニング内容がすごく助けになりました。本を読んで分からなかったことを質問したり、内容をスライドにまとめてフィードバックをいただいたり。あれがなければ、たぶんここまで来られなかったかもしれません。

ディレクター塾という名の代表との対話

そうやって基礎を固めて、今はディレクター塾をやってるんですよね?

ディレクター塾は2022年の9月頃から始まりました。最初の基礎ができてきて、そこからさらにディレクターとしてのスキルを深めるために始めた、という感じです。

何かきっかけがあったんですか?「これをやろう」っていう明確なタイミングとか。

うーん……正直、はっきりしたきっかけはあんまり覚えてないんですよ。でも、今になって想像するに、システムに関する最低限の知識が、少しずつ身についてきた頃だったんだと思います。もちろんまだ分からないこともたくさんありましたけど、なんとなく会話ができるくらいにはなってきて。

エンジニアとも、ある程度やり取りができるようになってきた、そんな感じですか?

分からないことも、「どこが分からないのか」を説明できるようになってきたというか。でも、ディレクターってシステムを理解するだけじゃ足りないんですよね。さっきも少し触れましたけど、ディレクターって、業務内容がふわっとしがちじゃないですか。プログラムを書くわけでも、デザインを作るわけでも、営業で数字を取ってくるわけでもない。だからこそ、「これをやればOK」というタスク化された仕事じゃなくて。

だからこそ、代表が「ディレクターとして必要な要素」や「目指すべき方向性」を少しずつ言葉で与えてくれる時間を、そろそろ設けようと思ってくれたのかな、って。今振り返ると、そうだったんじゃないかなと思います。

完全ライブのディレクター塾、実際の様子は

そのディレクター塾は、具体的にどんな形式でやっているんですか?

当初は週に1回、今は隔週ペースでやっています。ずっと続いていて、今もやってもらっているんですよ。参加者は、代表と私とそれからチーフのIさんの3人でやっていますね。

どんな感じで進めるのか、全然想像がつきません。内容を少し教えてもらえますか?

基本的には、決まった曜日と時間があって、その時間になるとIさんと一緒に代表のお部屋に行きます。まずは雑談からスタート。本当にくだらない話から始まるんですよ。そこから自然と業務の相談に入っていく、という感じですね。

なるほど、すごくゆるやかに始まるんですね。

案件でつまずいているところの相談とか、「こういうときどうすればいいですか?」っていうディレクターならではの業務的な話もありますし、あとはメンバーのコンディションについても話します。「最近、このメンバーのコンディションはどうだろう?」「このメンバーのパフォーマンスを最大限発揮してもらうためにディレクターとしてどんなことができるか?」など。そういう人にまつわる相談も多いですね。

人の状態を見るのも、ディレクターの大事な仕事ですもんね。

そうなんですよ。だから、技術的なことだけじゃなくて、もっと広い視点で話すこともあります。代表から「最近こういうこと考えてるんだよね」とか、「この本を読んでこう思ったんだけど、こういうことじゃない?」みたいな話もありますね。

毎回テーマが決まっているわけじゃないんですね。

完全に「ライブ」です(笑)。議題が決まっているというより、そのときの流れに任せて、自然と話が広がっていく感じ。もちろん、相談したいことがあれば、それを持っていけばそこから話してもらえますしね。

ディレクター塾が「根っこ」に与えた影響

振り返ってみて、そのディレクター塾の存在って、Mさんにとってどんなものですか?

本当に大きいですね。もう、なかったらどうなってたのか、正直想像もつかないくらいです。しかも、それが1回や2回の単発じゃなくて、2022年の夏から、もうすぐ3年になるんですけど、ずーっと定期的に続けてもらっていて。

えっ、そんなに長くやってるんですか!?

毎回だいたい1時間から2時間。長いときは3時間くらいになることもありますね。セミナーとか講演みたいに「一気に学ぶぞ!」っていう感じじゃなくて、定期的に、ちょっとずつ、ちょっとずつ、私に染み込ませてくれてる感じなんです。ディレクターとしての考え方もそうだし、業務に関係ない人生の話もするので、生き方というか、考え方の根っこの部分にもかなり影響を受けていて。「こういう考え方もあるんだ」って、気持ちを切り替えられるようになったきっかけもいっぱいもらってます。

まさに“学び”という言葉がぴったりですね。

もう、「これって本来ならお金払って聞くような話じゃないの?」って思うくらい(笑)。代表の時間を毎回しっかり使ってくださっているので、本当にありがたいなと思っています。

ディレクターとしての経験を積み重ねて

リリースまで自分で経験してみよう、みたいな流れはどうだったんですか?そこに至るまでの経緯というか。

最初、サブとしてやらせてもらう期間が結構あって。で、「もうそろそろ大丈夫そうだね」ってなったら、今度はIさんがサポート側に回ってくれて、何かあったときのフォローに入ってもらう形になって。私がメイン担当、みたいな感じで、少しずつ前に出させてもらったんです。「じゃあ、あとはよろしくね」「何かあったら後ろにいるから」みたいな感じで、徐々に前と後ろを入れ替えていくことを段階的にやっていった感じですね。

前に出るようになったのって、入社してどれくらいの頃でしたか?

小さい案件で「私、ついに前に出たな」って感じたタイミングは、1年経たないくらいだったかな。そこから、じわじわ出ていく感じでした。ちょっと前に出て、「あ、失敗した!やばい!」ってなって一瞬引っ込んで……。でも常にIさんがいてくれて。前に出たり、下がったり。なんかイメージとしては、親分の手を握りながらちょっと前に出てみて、「あ、やべ!」ってなったら後ろに戻る、みたいな。うーん、そんな感じです。

そうやってじわじわと。「本当にやばい!」って思った経験はありましたか?

やばい……というか、自分のキャパを完全に超えたなって思ったのは、結構序盤にあったんです。普通のサービスの改修じゃなくて、「サービスの土台を引っ越そう」みたいな話が出た時で。いつもは、サービスの方向性をちょっと変えるとか、UIを少し整えるとか、水回りを改修するような感じなんですけど、その時は本当に「家の土台ごと引っ越します」みたいな。つまり、家の中の内装工事じゃなくて、そもそもその家が建ってる土地を変える、っていうくらいのスケールだったんですよ。もう、すごくシステム寄りの案件で。今の私でも完全に理解できるかと言ったら……うーん、ちょっと言いにくいけど、当時は本当に何を言ってるのか全然分かりませんでした。資料を見ても、調べても、説明を聞いてもよく分からなくて。パンクしました。「あ、これ私無理かも」って思って。Iさんは元々エンジニアの方だし、周りの人もみんな精通してるし、「私、この人たちとは根本が違うのかも……」って。「向いていないかもしれない」って初めて思ったのがその時でしたね。

「やばい!」という時、Iさんはどんなサポートをしてくれたんですか?

一番辛かったのは「分からないことが分からない」っていう状態だったんですよね。システム系の話で、知らない単語がたくさん出てきて、その単語の意味を調べてもまた知らない単語で説明されてて……。もう泥沼でした。しかもシステムって目に見えるものじゃないから、イメージもしづらくて。で、そういう時でもIさんは、本当に何度も同じ説明を、違う言い方で、あの手この手で教えてくれたんです。たぶん私が質問してない時でも、「こいつ、分かってないな」って察してくれて、帰り道のバス停でも教えてくれたりして。「いろんな説明を繰り返していれば、いつか点と点がつながって、ガチッと腑に落ちる瞬間が来るはず」って思って、何度も根気強く付き合ってくれたんだと思います。

Iさん以外との関わりはありましたか?

そのプロジェクトは、デザイナーやセールスが関わる話じゃなくて、基本的にエンジニアとディレクターだけで進んでいました。なので、エンジニアの方たちともすごくやり取りしましたね。みんな本当にあきらめずに説明し続けてくれました。

では、完全に「これは失敗だった」ってことはありませんか?

失敗っていう意味では、細かいのはいっぱいありますよ。ディレクターって調整やコミュニケーションの仕事なので、伝え方やニュアンスをすごく気にしなきゃいけなくて。伝え方を間違えたりとか、社内にも社外にも「こう言ったらこう受け取られるよね」っていうのに気づけなかったり、経験が足りないがために発生したことはたくさんありました。実行する前にIさんに「それってこうなるんじゃない?」って止めてもらったことも、何度もありますね。

ディレクターとしてのやりがいと密かな喜び

ディレクターとして「やっててよかったな」って思う瞬間って、どんなときですか?

二つありますね。一つ目は、やっぱりお客さんに「この機能つけてもらって本当によかったです」とか「このサービスすごく助かってます」とか、「Mogicさんと一緒にできてよかった」「Mさんが担当でよかった」って言ってもらえたときですね。普段って、悪いことがあったときは一番に怒られるし、矢面に立つ辛さもあるんですけど、逆にそういう嬉しい言葉も一番に受け取れるのがディレクターなんですよ。メールや電話で言ってもらえた言葉を、もう何回も見返したり、心の中でリピートしたり。1週間ずっとニヤニヤしてます(笑)。

二つ目は、サービスをちょっと時間が経ってから自分で使ってみて、「うわ、これ使いやすっ!」って自分で思える瞬間です。自分が担当した改修とか、議論してつくった仕様とか、そういう部分に対して「いい仕事したな、Mogic」って思えるときですね。

仕事に対する価値観と自分の中の変化

いい話を聞かせてもらって、私も嬉しくなりました!仕事をする上で大切にしていることは、どんなことですか?

これは深い質問ですね。Mogicに入る前は、努力って「身を削って歯を食いしばって、血と汗と涙で頑張る」ってイメージだったんですけど、Mogicに入ってから「努力も信頼も教育も、薄い紙を1枚ずつ重ねて山を作っていくことなんだ」って気づかされました。その紙の重ね方が雑だったり、間違ってたり、目的を見失ってると山はできない。でも日々のちっちゃなやりとり、ちょっとした自分の気づき、やっとこうって思うこと。そういう薄っぺらくて地味なものを丁寧に積み重ねていくのを、大事にしてます。

Mさん自身は、この数年でどんな変化がありましたか?

たくさんありますけど、パッと思い浮かんだのは「100点を目指さなくなった」ことですね。もともと真面目なタイプで、「ちゃんとやりたい!」って思ってたし、自分に100点を求めてしんどくなって、それを他人にも求めてしまって、合わないとがっかりしたりイラッとしたりしてたんですけど、今は100点じゃなくて70点でも「まあ、やってみようか」って思えるようになったんです。その結果、フットワークも軽くなったし、人のことも許せるようになったし、自分も許せるようになりました。

組織改編前後のチームの雰囲気

チームの様子についても聞かせてください。2025年4月1日から組織が少し変わりましたが、前と今のチームの雰囲気って変わりましたか?

前のチームは、会社の3階がフロアで、そこには私たちしかいなかったんですけど、3階に戻ると安心するみたいなホーム感があったんですよ。他の階に行っても緊張するとか怖いとか、全然ないんですけどね。でも、やっぱり3階のメンバーとは一番素が出せる感じでした。それってやっぱり、一緒にいたメンバーのおかげだと思ってます。

いいチームでしたね。では、今のチームはどんな雰囲気ですか?

今のチームは、まだ完全にはできあがってない発展途上の状態なんですけど、前のチームとはまったく違う印象です。キャラがすごくバラバラで、やってきたことも考え方も違う。もともと別のチームにいた人たちが合流してきてるから、色も違うし、タイプも本当にさまざまで。〈混ざってる感〉がすごくあるんですよね。

前のチームと今のチーム、どんな違いがありますか?

前のチームが〈落ち着ける場所〉だったとしたら、今のチームは〈新しい刺激に溢れてる場所〉って感じです。今まで関わったことがなかったタイプの人たちと一緒に仕事をして、新しいものを作っていってる実感があります。「前のチームで良かったものを、今のチームでも目指してる」っていうよりは、「今のメンバーで、今のチームならではの何かを作っていこうとしてる」っていう感覚ですね。だから、まだ形にはなってないけど、すごく楽しみでもあります。

Mogicの「ここが特にいいな」と思うところ

Mogicで働いていて、「ここが特にいいな」って思うところってありますか?

一番は、「この会社には敵がいないんだなー」って思えるところですかね。今までいた会社だと、誰かがいないところで陰口を言ったりとか、誰かを叩いたり、批判したりとか。なんか、お互い探り合ってるような雰囲気があったんですよね。水面下で……いや、水面の上でも。

それは、しんどいですね。

仕事が大変とか以前に、「会社に所属してること自体がしんどいなぁ」って感じることが、けっこうありました。でもMogicに入ってからは、それが本当にないなって。

入社してからすぐそう感じたんですか?

たぶん入社してすぐから、ずっと言ってると思います。誰かの悪口を言ったりとか、他人を責めたりする人が本当にいないんですよ。誰かを非難したり叩いたりする空気もないし、「敵がいない」って自然に思える会社なんです。だから、変に構えなくていいというか、無防備でいられるというか。他の会社って、みんな心に鎧を着て、探り合って、戦ってる感じがあったんですけど、Mogicはそれがない。心が裸でいられる、というか……いや、「裸」って言うとちょっとあれですけど(笑)。

(笑)でも、なんとなく伝わります!

うん、たぶん「薄着でいられる」くらいがちょうどいい表現かもですね。だから、失敗もできるし、おバカなこともできるし、なんか「自分でいても大丈夫」って思えるんですよね。そういう環境って、実はすごく貴重だなって。

理想のディレクター像はない

将来、「こんなディレクターになりたいな」など、思い描く理想のディレクター像はありますか?

うーん……いや、もうないですね。ちょっとさっきも触れたんですけど、たぶん世の中にディレクターってたくさんいて、まだ珍しい職種かもしれないけど、それでも色んなタイプのディレクターがいると思うんです。すごくできる人もたくさんいて。

確かにそうですね。

でも私って、IT業界の経験もまだまだ未熟だし、「人を巻き込む力がすごくある!」とか、「圧倒的なマネジメント力!」とか、そういう高みを目指すような“理想像”って、なんか自分の中でちょっと違う気がしてて。「Iさんみたいになりたい」とか、「トラブルゼロ、超円滑・超スピーディ・超快適なプロジェクト進行!」みたいな、そういうスペシャルな存在を目指すのは、きっと無理だなって。

これから、Mさんは何を目指したいですか?

自分が関わったプロジェクトで、エンジニアもデザイナーもセールスも、社内の人も、お客さんも、「このプロジェクトやって良かったよね」って、そんなふうに思ってもらえるような進め方ができたらいいなって。それは売上とかサービスの使い勝手がどうこうっていうよりも、「Mogicと一緒にできたから」「このメンバーとだったから価値があったよね」って、そう思ってもらえることのほうが、私は大事だなって思ってます。

目に見える成果だけじゃなくて、関わった人の気持ちに残るような。

大きな夢を叶えたいとか、そういうのじゃなくて、一つひとつのプロジェクトが「大変だったけど、最終的に良かったよね」って、いい思い出としてちゃんと残っていくようなものになったら嬉しいです。時間が経っても、「あれ良かったよね」ってそれぞれの中で思い出せるような。メンバーが別のチームに移動したり、お客さんの担当者が変わったりしても、その時その瞬間をちゃんと覚えててもらえるような、そんなプロジェクトをやれたらいいなって思います。

ディレクターを目指したい人へ

毎回インタビューの最後に「野望」を聞いていますが、何かありますか?

野望は……話し出すと長くなっちゃうので、今回は置いておきましょうか(笑)。

えっ、聞きたいですけど!

いや、なんだろうなあ。……でも、やっぱりいいです(笑)。

では、本当に最後で。Mogicに入りたいと思っている人へ、何かメッセージをお願いします。

たぶん、新卒の方にはあまり馴染みのない職種なんじゃないかなって思います。ディレクターって、何やるのか想像つかない人も多いと思うし、さっきいろいろ説明してみたけど、やっぱりイメージ湧きにくいんじゃないかなって。だから、「ディレクターを目指したい!」って思ってくれる人って、きっと他の職種に比べて少ないのかなとも感じていて。

でも、ほんとにめちゃくちゃ大変だけど、めちゃくちゃ楽しいんです。それ以上でも以下でもなく、ほんとに、そう思います。ぜひ挑戦してみてほしいなって思いますね。こんなポンコツな私でも、なんとかやってるので。「本当に楽しいよ」って、そう伝えたいです。ディレクターできるか分かんないけどやってみたい!って思えるなら、きっと向いてると思います。